お母さんやお父さんが
うつ病や統合失調になったら?
書名:悲しいけど、青空の日 〜親がこころの病気になった子どもたちへ〜
文・絵:シュリン・ホーマイヤー
訳:田野中恭子
発行年月:2020年6月
ジャンル:児童、健康、心理
仕様:B5変形判/136ページ
ISBN:978-4-909125-20-0

それからハイキングにも行きます。
もちろん、マックスもいっしょです。

そんな日をモナは、
「青空の日」と呼んでいます。

けれど、「悲しい日」もやってきます。
そんな日は、まったくちがっています。

文・絵:シュリン・ホーマイヤー
社会教育学を専攻し、精神疾患の親がいる家族や子どもを支援する団体に1990年代末から従事。カウンセリング、講演会、学習支援などを行う。精神疾患の親がいる家族、とりわけ小学生の子どもたち向けの本が不足していると感じ、本書の執筆を思い立つ。児童向け専門書として異例の1万部をドイツ国内で販売。

“学校の先生や看護職、ワーカーにも読んでほしい一冊”
(親&子どものサポートを考える会 世話人代表 鈴鹿医療科学大学看護学部准教授 土田幸子)

“子どもの頃、こんな絵本に出会いたかった”
(まんが家 中村ユキ)



うつ病のお母さんと暮らす9歳の女の子、
モナとの対話を通して、子どもらしさを取り戻す物語

去年、お母さんは何かが変わりました。お母さんはとても沈みこみ、家事もできなくなりました。この「悲しい日」に9歳の女の子モナは怒りや悲しみの感情を抑えて多くの責任を負い、そして「青空の日」を心の底から待ち望んでいます。ある日、モナは大切な友達、ぬぐいるみのマックスを土に埋めるかわりに、お母さんがよくなることを神様にお願いします。その日から眠れなくなり。。。
モナや精神を病むお母さんは、そしてマックスはどうなるのか?

第1章:悲しいけど、青空の日
    うつ病のお母さんと暮らすモナの物語

第2章:モナからあなたへ 〜子どもたちへのアドバイス
    「精神病って何?」「私のせいなの?」「誰がママやパパを助けてくれるの?」
    「私は誰と話したらいいの?」「危機的な時の緊急対応」など

第3章:親と身近な人たちへのアドバイス



周囲の人の理解と関わりが、「暗やみにいるよう」と感じる子ども達の光になる

精神を病む親と暮らす子どもは大きな負担と動揺を抱えます。そして両親や祖父母、先生などの身近な人は、子ども達にどのように接したらよいのか、わからないことが多くあります。
・子どもに親の精神病について、そもそも話してもいい?
・年齢に応じて、どのように説明すればいい?
・大人でも分かりにくい言葉になってしまうのに、子どもにどう伝えればいい?

大人が子どもに精神病について説明することは少ないのですが、子ども達は大人が思うよりも親の精神病をなんとなく感じ取り、わかってもいます。想像力がふくらみ現実以上の恐怖や不安を感じることもあります。そのため、その気持ちをうけとめ、どうしたらいいのか一緒に考えてくれる大人を必要としています。
この本は、精神病の親と暮らす子どもの不安や疑問への提案が、科学的な知見をもとにわかりやすく描かれています。身近な大人が子どもを理解し支える助けにもなります。

<ドイツでの本書への口コミ>
児童専門書としては多い「1万部以上」を販売
“すべての小学校、幼稚園に置く必要がある本だ”(ソーシャルワーカー)
“すべての専門職の必読書ですばらしい!”(精神社会学者)
“最新の知見に基づき、典型的な例を取り上げた科学的にも質の高い本”(児童精神科医師)
“精神病へのタブー視を乗り越えることを助ける本”




親の精神病に大きな影響をうける子ども達を支えよう!


発起人 田野中恭子より

もしも家族の1人が精神を病んだら、本人や家族の生活は大きく変化します。

一緒にくらしているおばあちゃんやおじいちゃんが認知症になったら、
お父さんやお母さんがうつ病になったら。。。


自分や家族がこころの病気を患うと、そのことを人に話すのは躊躇されるかもしれません。
子どもは、その大人の様子から人に家の状況を話してはいけないと察します。
また、こころの病気について、わかるように説明を受けていない子どもも多くいます。
苦しい気持ちや困ったことを誰にも話さず、何もないかのようにふるまっている子どももいます。


2013年より、そうした子ども達の声を聴き、子ども達の経験や支援についてまとめてきました。
<子ども達の困りごとの例>
・親の病気についてわけもわからず、不安や混乱する気持ちの中で、その病状をみている
・日常の世話を十分うけず、衣食住に困る
・親の精神病のことを周囲の人に話せず、困りごとを抱えこむ
・周囲の無理解な言動に傷つき、家でも外でも安心できない、など

うつ病を含む精神障害者の数は390万人となり、日本人の30人に一人は精神を病んでいます。しかし、病のことは理解されにくく、その子どもの存在はほとんど知られていません。最近、少しずつメディアに取り上げられるようになってきましたが、こうした子どもに具体的に何をどうしたらよいのか、理解を深められる本はとても少ないです。

海外では、40年程前から多くの研究や支援が進められ、ドイツでは、このテーマに関して複数の本や映像教材、Webサイトが出ています。誰もが手軽にこれらの情報を手にいれることができ、学校の教材としても使われています。精神保健の専門職をはじめ多様な職種がコラボレーションして作り上げている情報は、わかりやすく、説得力があり、日本でもこのような内容がもっと広まらないかと思いました。

たまたま、私がドイツ語を学んでいたこともあり、ネットで取り寄せたドイツ語の本の一つがこの児童専門書『Sonnnige Traurigtage (悲しいけど、青空の日)』でした。主人公モナの描写は心にせまるものがあり、同じ立場の子ども達にやさしく語りかける内容は日本の子ども達の共感も得やすいと感じました。

子ども達は、親が病んでいても元気に過ごしてよいのです。
子ども達は、気持ちを受け止められ、子どもらしい欲求を訴えることが許されています。
そのためには、親や周囲の人の理解、環境づくりが必要です。
この本が、一人でも多くの精神を病む親がいる子ども、周囲の人の手に届きますように。

訳:田野中恭子(たのなか きょうこ)
佛教大学看護学科講師(保健師、看護師)
京都産業大学外国語学部ドイツ語学科卒業。ベネッセコーポレーションに勤務後、31歳で看護師、保健師になり、病院勤務。その後、大学教員になり本業に従事するかたわら精神障害者の家族に関する研究を行う。2010年より京都精神保健福祉推進家族会連合会の活動や「精神に『障害』のある親を持つ子どもの集い」に参加。
2013年よりドイツの当該テーマの研究、支援機関を訪問し、先進事例を国内に紹介。精神障害者の家族セミナーの開催や講演・研修活動、NPO法人ぷるすあるは製作の動画「親が精神障害 子どもはどうしてんの?」に参画。
著書・論文:「ケアの実践とは何か」「精神疾患の親をもつ子どもへの支援-ドイツの子ども支援と日本への応用に向けて」「精神疾患の親をもつ子どもの困難」他