男になれる「皮」を手に入れた18歳のビアンカ。
親が決めた許嫁はなんとゲイ!! しかも男になったビアンカと…!?
果たしてビアンカは「幸せ」を掴みとれるのか!?
舞台はルネッサンス期のイタリア。
世間知らずで箱入り娘の「少女ビアンカ」が「少年ロレンツォ」になれる家宝の「男の皮」を手に入れたことで巻き起こる一大騒動!
許婚はゲイで、しかも「男」になったビアンカと恋仲に!?
妻でありながらゲイの夫の愛人という二重生活が始まる!
「女」と「男」、両方の人生を体験して自由と広い視野を手に入れた彼女の行く手に立ちふさがるのは、聖職者で超絶ストイックな兄アンジェロ!
ちょいちょい女性蔑視発言がヤバい兄だったが、その言動はますますエスカレートしていく!
果たしてビアンカは周囲から押し付けられるジェンダーの呪縛を振りほどき「自分らしく」生きることができるのか!?
理不尽な世の中にジレンマを感じるすべての人に捧げたい、フランス発の痛快ラブコメマンガ!
海外マンガ専門店を始めて5年。
自信を持ってオススメする面白い海外マンガを日本に紹介したい!
発起人:森﨑雅世(もりさき・まさよ)より
私が初めて海外マンガに出会ったのは2016年に開催された「ルーヴルNo.9展」。フルカラー。大判サイズ。芸術性……。これまでも日本のマンガが大好きでしたが、そのときに見たバンド・デシネ(フランス語圏マンガ)に大きな衝撃を受けました。
日本のマンガとはまた違う海外マンガを知ってもらいたい。そんな思いから2019年7月に始めたのが海外マンガ専門のブックカフェ書肆喫茶moriです。
店を始めたのには裏の目論見もありました。
私は語学ができません。バンド・デシネ読みたさにフランス語を勉強中ですが、基本は翻訳アプリなどを駆使しながらどうにかこうにか原書を読んでいます。
店をやることで少しでも海外マンガが好きな人が増えたら、日本語訳される海外マンガも増えるのではないか。
それは誰得って、確実に私得。
店舗で実際に海外マンガを読んでもらうだけでなく、イベントを開催したり、邦訳海外マンガの販売を始めたり、SNSや情報誌などで海外マンガ情報を発信したり、挙句の果てにはユーチューバーになったり、ポッドキャストを始めたり……。思いつくままに海外マンガを知ってもらうための活動を続けてきました。
それから5年。
果たして、海外マンガの普及に少しでも貢献できているのか。どうなのか。
まったくもって自信はありません。
ただひとつだけ確実に言えることがあります。
それは、翻訳されてほしい海外マンガが増え続けるばかりだということ。
SNSで「翻訳されてほしい」と叫び続けたり、出版社さんや翻訳者さんとお話しするたびに「こんな面白い海外マンガがありますよ」と紹介したりするものの、そう現実は甘くありません。
私にも何かできることはないのか。
サウザンコミックスさんの企画はもちろん、海外のプロジェクトにもしばしば参加している私にとって、マンガを出版する手段としてクラウドファンディングは強力な手段だと感じていました。
よし私もいっちょクラファンをやってみよう。
『Peau d'Homme(男の皮)』は、私の中の「翻訳されてほしい海外マンガ」リストから厳選した1冊です。
フランス語がわからないながらも没頭して読みました。
とにかくストーリーが面白く、ボリュームも手ごろで、キャラのデフォルメ感はいわゆる日本のマンガとは異なるけど親しみやすい画風で、女の子が男の子になってしまうという設定もなんとも刺激的だし、フランスでも高く評価されていて、ジェンダーやセクシャリティを考える上でも良書で、主人公がとっても可愛くて、道徳的な内容を描きつつも全くもって説教臭くなくエンタメとして楽しめ、マンガ表現としても面白い箇所があり、ルネッサンス期のイタリアを舞台にしていながら現代の日本社会にも通じる不条理さが描かれ、恋愛とか友情とかって何だろうと思索を巡らせたくなるし、フェミニズム的な観点も押さえられていて、理不尽な世の中にノーを突きつける主人公の姿に快哉を叫びたくなるような痛快な読後感で、とにかくストーリーが最高に面白い(大事なことなので2回言った)。
この最高に面白いマンガを、多くの方と共有したい。
どうかみなさま、ご支援よろしくお願いします。