“地獄の墓掘人”と呼ばれた伝説のプロレスラー
ローラン・ボックの闘いに満ちた人生
書名:BOCK! Im Kampf Gegen Stiere & Sich Selbst
著者:Andreas Matlé
発行国:オーストリア
発行年:2021年
ジャンル:ノンフィクション/スポーツ
ISBN:978-3950493405

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「今日が残りのファイトマネーの支払期限だ。約束が守られなければ、猪木はリングに上がらせない」

 いつも温厚だった新間が、笑顔を浮かべずに交渉する姿をボックは初めて目にした。

 ボックにはキャッシュがなかった。


主人公:ローラン・ボック(Roland Bock)
1944年ドイツ生まれ。14歳の時に地元のレスリングクラブでアマレスを始める。ヨーロッパ選手権で実績を残し、1968年のメキシコ五輪に出場。1972年のミュンヘン五輪の最有力候補となるもドイツアマレス協会と対立して除名される。1973年にプロレス転向。レスラー兼プロモーターとして活躍し、モハメド・アリと引き分けた男「アントニオ猪木」と闘うために1978年にヨーロッパでのビッグイベントを主催。興行的には大損失を負ったものの、その頃から映画俳優として人気作品にデビュー、プロレスラーとしても新日本プロレスに積極的に参加し、負債を返済。しかし、1978年の猪木ツアーの精算で、脱税・詐欺行為が発覚し、有罪判決が確定、収監される。 1984年の出所後には、実業家として再起し、大規模なディスコ経営を手掛けて、王のような暮らしに辿り着く。1990年代には、事業を社員に任せ、東南アジア・タイへ移住。楽園の暮らしを楽しんだ。2000年代にはドイツに戻ったが、ディスコ経営を任せた社員に裏切られ、廃業に至る。現在も新たな事業に突き進む野心は衰えず、新たに起業してドイツで暮らしている。

著:アンドレアス・マトレ(Andreas Matlé)
1960年ドイツ・フランクフルト生まれ。ディスコ経営、企業の広報、文化イベントの企画担当に従事、フリーライターとしても活躍中。フランクフルト近郊のヴェッテラウ在住。著書にアスリート、実業家としてのローラン・ボックの生涯を描いた『Bock!』(2021年)、プロレスラー、ルネ・ラサルテスを描いた『Lasartesse』(1991年)体操選手、キム・ブイのアスリート人生の感動的な物語『45 Sekunden - KIM BUI』(2023年)、作家のための入門書『Kleine Fibel』(2022年)の他『Sonay A.ここに住みたい』など、実業家やアスリートへの丹念な取材をベースにしたバイオグラフィー、評伝を手掛けている。

アントニオ猪木が最も苦戦したレスラー
雄牛との闘い、自分自身との闘い

 1978年11月25日、ドイツでアントニオ猪木を迎え撃った男、ローランボック。それは「シュツットガルトの惨劇」と語り継がれるプロレスの枠を越えた死闘だった。

「……ボックが捻る角度をほんの少し変えるだけで、猪木の足は破壊される。猪木を潰して、アリと闘った男に完勝したという称号を手にしたい衝動にかられた。しかし、ルールを守れない男として軽蔑され、プロレスの世界から追放されるリスクも十分にある。

 その時、ボックの目の前には、あの忌まわしい「墓掘り人」の姿が見えた。あの男なら必ず猪木の足をへし折っているはずだ……」

 戦後ドイツにおける児童虐待、オリンピック出場、プロレス転向、映画俳優、有罪判決と服役、女性遍歴、企業家としての成功、王のような生活と愚かな判断による挫折。80歳を迎てもなお立ち止まることがないローランボック、自分自身に正直にそして貪欲に生きた人生。
 プロレスファンで無くとも、彼の激しい生きざまに引き込まれていく、ローラン・ボックの長編バイオグラフィー。

 著者は、自身も熱烈なプロレスファンで、体操選手キム・ブイのアスリート人生を描いた『45 Sekunden - KIM BUI』がシュピーゲル誌ベスト・セラーに選ばれたジャーナリスト、アンドレアス・マトレ(Andreas Matlé)。


「幻の最強レスラー」ボックの足跡を日本のプロレス史に残したい

発起人:沢田 智(さわだ・さとる)より

 アントニオ猪木を極限まで追いこんで勝利した「ローラン・ボック」を私は1980年代に入ってから知りました。真の世界チャンピオンを決める新日本プロレスのIWGP構想に向け、プロレス中継で古舘アナがボックの話題に触れ、雑誌でも「まだ見ぬ強豪」として取り上げられるようになった頃です。

 そして初来日。木村健吾戦、長州力戦の衝撃。一切妥協を許さないローラン・ボックの闘い。猪木との完全決着が待ち望まれながら、突然の引退。その後、ボックに関する情報は更新されることなく、最強幻想だけが生き続けました。ローラン・ボックについて、同じような感覚で決着のついていない「昭和プロレスファン」は多いのではないでしょうか?

 2021年にドイツでローラン・ボック自伝が刊行されると、日本でも翻訳出版が期待されました。しかしその動きは無く時間ばかり経過する中、原書を購入してでも読みたいと思うに至りました。そもそも私はプロレスファンなので、1978年の欧州選手権ツアーの項目だけを読むつもりでしたが、最強の男に成長した経緯、なぜ突如引退し、その後はどう生きたのか、次から次へと興味が湧き、一気に読み進めました。

 この本の感動を多くの人と共有したいと思い、ブログ等で紹介してきました。そして翻訳出版の可能性を探りましたが、ニッチな分野の本の出版については出版社は消極的です。そこで「クラウドファンディング」での出版を企画するに至りました。

 「ローラン・ボックとは何か」を探している昭和プロレスファンの力で、「幻の最強レスラー」を再発見し、ボックの足跡を日本のプロレス史に残していきましょう。

kawano発起人:沢田 智(さわだ・さとる)
島根県生まれ。学校を卒業後、放送業界のエンジニアとして働く。オリンピックやサッカーワールドカップなどのテレビ中継で、ドイツを初め、南北アメリカ、アジアなど世界各地での業務を経験。放送業界専門誌への寄稿多数。
プロレスファンとして独自のホームページを立ち上げて情報を発信。ブログ・ライター名はFavoriteCafe管理人。2020年よりwebプロレス専門誌ファイトに連載コラム「ファイトドキュメンタリー劇場」を寄稿中。
HPアドレス:https://kissatalk.web.fc2.com/index.html
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