歴史やオリンピックから気象学まで
スキーに関する全てがひとつにまとめられた究極の一冊
世界中で楽しまれているスキーやスノーボード、さらにはクロスカントリースキーも含めたスキーにまつわる内容がぎっしり詰まった一冊。
フランス本国では子ども用に出版されている本のため、かわいいイラストとわかりやすい文章でとても読みやすい。また技術書ではなく、第1章はスキーにまつわる物語から始まり、第2章からは見開き1ページごとに完結した内容で、例えば世界の山々とスキーリゾートの特徴、スキー発祥の歴史、スキー板の製造、雪崩やヘリでの救助など18のカテゴリーに分けて紹介されています。最後の第3章は特に大切な部分をクイズやクロスワードなどを解きながら楽しく学べる学習ページになっています。
3人の子どもたちが宝物を探して雪山を冒険するストーリーが描かれています。
氷河を滑る場面では雪崩のレベルを事前に確認することや、オフピステを滑る時にはビーコンとショベルとプローブが必要など【雪山に関する知識】が一緒に学べるように構成されています。
スキー発祥の起源から現代に至るまでの【スキーの歴史】がわかりやすいイラスト付きで説明されています。
児童書ではなかなかお目にかからない【スキーの構造】が子どもでもわかりやすい内容で説明されています。大人でも勉強になる内容です。
第3章は様々なクイズが用意されています。条件にあったファッションを探し出すクイズ、スキーレースを舞台にした簡単な計算クイズ、間違い探しなど。
スキーの新しい魅力を再発見!!
スキーって広くてすごい世界だと改めて実感
発起人・清水幸子(しみず ・さちこ)
この本との出会いは、フランスのバルディゼールスキー場の書店で見つけた1冊の本を購入したことからスタートしました。帰国後、本を読み、子ども向けの本とは思えない内容で、世界中のスキーについて書かれていることに驚きました。もちろん日本のことも紹介されており、「こんな本は日本でみたことがない、スキーを何十年と滑ってきているのに知らないことがたくさん書かれている」と 読めば読むほど知識が膨らみ、これはぜひ日本の子どもたち、そしてスキー愛好家の方々にも伝えたい内容だと思い、フランスの出版社にレビュー投稿したところ、「日本で翻訳出版してみたら」と1通のメールが届き「ハッ」と思い立ちました。
日本にはスキーやスノーボードに関する技術書や、スキー場へ出かけるための情報誌はこれまでたくさんありましたが、この本のように、スキーを楽しむ側、スキー産業で働く側など多方面からスキー界をまるっとちょうど良くまとめられている本は見たことがありません。
この本では、世界のスキーリゾート、スキーの歴史、気象学(雪崩など)、スキー場の仕事・運営・乗り物・ルール、スキー用品(材質や構造)、競技の種類、選手の1日、スキーに関する様々なクイズ(リフトの最終営業時間、乗車時間、コースレベルが記載されたコースマップから時間までに目的地へ行くルートを考える)などがわかりやすく説明されています。ぜひスキーに出かけた旅先の部屋で、またご家庭で読んでいただきたい、スキーがもっとしたくなるそんな一冊です。
小さな一歩ですが、本書はスキーをレジャーとして捉えるだけでなく、スキー産業を全方位的に学べる学習書になっており、スキー業界の今後の人材育成や産業発展に少なからず寄与できるのではないかと思っています。
すでにスキーライフを楽しんでいる方、これからスキーをはじめてみたい方、そしてスキー業界関係者の方など、様々な方々からのご支援をよろしくお願いいたします。
発起人・清水幸子(しみず ・さちこ)
幼少期は関西で育ち、父親の影響で3歳からスキーをはじめる。スキー技術の習得と研究のため上越教育大学大学院へ進学。スキーのバイオメカニクスの研究に打ち込むとともに、スキー技術選にも挑戦。その後専門学校や短大、大学でスポーツ科学の教員として勤務しながら子どものスキーやジュニアスキー選手の指導に携わる。2021年から北海道にある名寄市立大学保健福祉学部教養教育部に所属。スポーツ理論やスポーツ実技、スキー実技などで教鞭をとる。現在は名寄のスキーの歴史や、クラシックルートの調査研究も行なっている。また名寄新聞、道北ネットでスキーコラム「シュプールを描いて」を連載中。
ホームゲレンデは名寄ピヤシリスキー場とHAKUBAVALLEY