いまオレは、読書が大好きな子どもたちといっしょに、世界中のおもしろい本をさがしてるんだ。みんながたくさん本を読んで、作文を書いてくれている。オレは読書探偵として、作文に出てきた本のなかからとびっきりおもしろそうなのをえらんで、じゃんじゃんまわりに広めてるってわけ。
そこで、オレは思いついたんだ。オレたちがこれまでにみつけたおもしろい本を、まとめてしょうかいしたらどうだろうってね。そう、1冊のガイドブックを作るんだ!
そういう本を作るには、みんなの力がたくさんひつようだ。
みんな、おうえんしてくれよニャッ!
ところで、なんで外国の本ばかりなのかだって? いいところにきづいたな。 外国の船の上で生まれ育ったオレとしては、日本のみんなに、外国のいろんなことを知ってもらいたい。世界をまたにかけた、でっかーい心の人間になってほしいんだ。それには、外国の本を読むのがいちばんだ!(ってオレは思いついた!)
そしてオレたちは、いつでもなかまをぼしゅうしている! なかまになりたい子は、本を読んだら作文を書いて、オレに知らせてくれ。
気に入った本はあったかな? じゃあニャッ!
海外の物語や文化への興味をいっそう深めてくれることを願い、2010年から翻訳家などが中心になって開催を続けている「読書探偵作文コンクール」。
本書では、これまでにコンクールに寄せられた作文のうち、選りすぐりの受賞作品を、本のジャンルごとに分けて紹介していきます。
ファンタジー・冒険、外国のくらし、科学、ミステリーと、さまざまなジャンルの外国の本を、子どもたちはどう選び、どう読んで、何を感じたのか。伸びやかに書かれた作文は、時には絵や図解も交え、大人も子どもも読んで楽しいものばかりです。
また、ジャンルごとに、コンクールを運営する翻訳家たちによる「いま子どもに読んでほしい翻訳書案内」も収録します。数多くの本を精読してきた翻訳家ならではの視点による紹介は、子どもたちだけでなく、大人のみなさんにも新しい発見があるはずです。
そして、本書のもうひとつのお楽しみは、ハンギョドン、バッドばつ丸、コラショなど、数々の人気キャラクターの生みの親である、キャラクターデザイナーの井上・ヒサト氏が手がけるキャラクター〈読書探偵ニャーロウ〉が、全編を通してナビゲートしてくれること。
日本の子どもたちにも外国のことをもっと知ってもらい、世界をまたにかけた大きな心の人間になってほしいと願うニャーロウが、子どもたちによりそいながら、世界中のおもしろい翻訳書を子どもたちの作文とともに紹介していきます。
「海外文学に出てくる世界のおやつ」など、子どもたちが海外の文化に親しむきっかけとなるようなミニコーナーも収録。
大人も子どもも楽しめる、この翻訳書ガイド。多くの方に読んでいただきたい1冊です。
【読書探偵作文コンクール事務局・越前敏弥から】
これまで子どもたちが送ってくれた数多くの個性豊かな作文のなかから、特にすぐれたものを選んだ文集を作ることは、わたしたちの長年の夢でした。このたび、翻訳書のガイドブックを兼ねた形で、たくさんの作文をみなさんに読んでいただき、コンクールをよりいっそう充実したものにしたいと考えています。ぜひ『外国の本っておもしろい!』をご入手ください。とても楽しくて役に立つ本だとお約束します。
越前敏弥
英米文学翻訳家。『インフェルノ』『ダ・ヴィンチ・コード』『Yの悲劇』『シートン動物記』『思い出のマーニー』(以上、角川書店)、『解錠師』(早川書房)、『ゴードン・パークス』(光村教育図書)、『ダ・ヴィンチのひみつをさぐれ!』(朝日出版社)など、大人向け・子ども向けの両方の訳書多数。著書『翻訳百景』(角川書店)、『日本人なら必ず誤訳する英文』(ディスカヴァー)など。朝日カルチャーセンター(東京・横浜・大阪)文芸翻訳講座講師。読書探偵作文コンクール事務局メンバー。
ないとうふみこ
英米文学翻訳家。『オズのオズマ姫』など「オズの魔法使い」シリーズ(復刊ドットコム)、『思い出のマーニー』『若草物語』「アナと雪の女王」シリーズ(以上、角川書店)、『きみに出会うとき』(東京創元社)、『ペットのきんぎょがおならをしたら……?』(徳間書店)、『アインシュタインと相対性理論』(玉川大学出版部)など児童書を中心に活動中。やまねこ翻訳クラブ会員。読書探偵作文コンクール事務局メンバー。
宮坂宏美
英米文学翻訳家。「ジュディ・モードとなかまたち」シリーズ(小峰書店)、「ランプの精リトル・ジーニー」シリーズ(ポプラ社)、「ゆうれい作家はおおいそがし」シリーズ(ほるぷ出版)、『一年後のおくりもの』(あかね書房)、『ノエル先生としあわせのクーポン』(講談社)など、児童書の翻訳を数多く手がける。やまねこ翻訳クラブ会員。読書探偵作文コンクール事務局メンバー。