二人のイタリア人。二台の車いす。
無限の冒険。
書名:ヴィアッジョ イタリア 車いすで歴史的な街や大自然へ
著:ダニーロ・ラゴーナ
  ルカ・パイアールディ
絵:マルチェロ・レスタルディ
訳:荒木美弥子
発行年:2025年2月
ジャンル:単行本・文芸・コミック
仕様:A5判/114ページ/並製本
ISBN:978-4-909125-58-3
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次はどんなことに挑戦するの?

え?

次?

そうねえ……

著:ダニーロ・ラゴーナ(Danilo Ragona)
トリノでヨーロッパデザイン学院を卒業後プロダクト・デザイナーになり、自由とアクセシビリティを追求するため起業。
21 歳に起きた事故で車いすでの生活になっても気力を失わず、2006年にAble to Enjoy という名の会社を設立。革新的なデザインでメイド・イン・イタリアの製品を制作、販売している。
主力製品はそのユニークさで特許をとったB-Free Multifunction という車いすで、2012年のイタリアインダストリアルデザイン協会(ADI) でコンパッソドーロ賞を勝ち取り、他の国際的な賞でも認められている。
Able to Enjoy 創設者のダニーロが大切にしているのは、革新、技術、カスタムメイド、個性、美しさ、自立性だ。
2017 年からはB-Free という会の会長になり、更に社会に貢献できるよう務めている。「発明とテクノロジーは、スポーツ、旅、社会貢献活動、レジャーといったあらゆる場面ですべての人に自由をもたらす」とダニーロは強く信じている。ルカ・パイアールディと一緒にヴィアッジョ・イタリア・アラウンド・ザ・ワールドのプロジェクトを考案、現在も旅を続けている。

著:ルカ・パイアールディ(Luca Paiardi)
トリノ工科大学を2008年に卒業、ブリュッセル大学でアクセシビリティとサステナビリティについて研究する一方、20歳のころから音楽に傾倒。バンド、ステアリカ(モノトレーム レコード UK)にベーシストして4 つのアルバムをリリースし、数々のヨーロッパツアーに参加する。
2004 年、車いすテニスのイタリア代表の元コーチ、マルゲリータ・ヴィリアーノと出会い、同スポーツにおいて国内外で好成績を収める。
2011年から2014年までダニーロ・ラゴーナとともにメイド・イン・ダンスというプロジェクトを作り、実験的なコンテンポラリーダンスに挑戦、イタリアとドイツのフェスティバルで披露する。
2017年、ディーノ・パラディスコとダニーロ・ラゴーナ、建築家のコンスエロ・アニェシとクリスティーナ・アメンタとともに障害にかかわる矛盾を描いたノット・アクセスという演劇を発表。共有すること、革新的であること、情熱的であることをとても大切にしている。
ダニーロ・ラゴーナとともにヴィアッジョ・イタリア・アラウンド・ザ・ワールドのプロジェクトを立ち上げる。

絵:マルチェロ・レスタルディ(Marcello Restaldi)
トリノのアルベルティーナ美術アカデミーを卒業後、コミックのプロ集団「アノニマ・フメッティ」と長年協力し、ウェブマガジンに掲載される社会派ストーリーを描いてきた。
2018年、アルベルト・レヴィリオ原作、社会的協同組合「プロジェスト」とのコラボレーションで実現した『グリグリ - 人と出会いの物語』でグラフィック・ノベルの分野にデビュー。

イタリアから届いたガツンとくる人生賛歌
新感覚イタリア旅行記

 イタリア・トリノの病棟で知り合ったダニーロ・ラゴーナとルカ・パイアールディは、あるプロジェクトを思いついた。それはイタリア半島でさまざまなスポーツやアクティビティにチャレンジし、多様なカルチャーを体験するというワイルドな計画だ。

 なぜそんな挑戦を始めたかって? 「限界」というのは自分たちの思い込みで、必ず乗り越えることができるというメッセージを伝えるためだ。でも実は2人にはもうひとつ大切な目標があった。それは同じ名前のもうひとりの友人、ダニーロ・ネリにも冒険ができるよう資金を貯めること。

 こうして、いまだかつてないイタリア旅行が始まった。









コミックが綴る、現在進行形の冒険ドキュメンタリー


表紙を見る度に
「元気出ないなー」なんて言ってられなくなりました

発起人・荒木美弥子(あらき・みやこ)

 『Viaggio Italiaー 訳して「イタリア旅」。 ようやくコロナ規制が解除されようとしていた2023年春、ずっと夢だったイタリア旅行を実現させるべく、色々な情報を集めていた私の目に、この検索結果が飛び込んできました。てっきりイタリアの情報サイトだと思ってクリックしたその先には全く想像もしていなかったウエブサイトが待っていたのです。

 それは障害を物ともせず、あらゆる場所を旅し、行く先々でアスリートさながらの挑戦を続ける二人の記録。そして彼らが描くとてつもなく大きい将来の夢。様々な写真やビデオとともに、コミックも出版したという投稿を見つけ、グラフィック・ノベル好きの私は思わず購入してしまいました。

 何日かして 著者のルカからメールが届きました。「日本からぼくたちの本のオーダーが来るなんて、すごいことだよ!よかったらSNSに投稿したいから 君が本を持った写真を送ってくれない?」

 その瞬間、思わず彼らのエネルギーにとても心を動かされました。たった一冊買った本でもこんなに喜んでもらうことができる。たくさんの人が読んでくれたら プロジェクトの輪がもっと広がるにちがいない。海の向こうで活躍するこんなパワフルな二人の活動を日本の人々にも知ってもらいたい!

 Viaggio Italia Around the World は、スーパーポジティブな二人が繰り広げる、まるでドキュメンタリー映画のような作品です。

 障害をもっていてもそうでなくても、人生を謳歌するその姿にきっとパワーをもらえることでしょう。読後の爽快感を是非味わっていただきたいです。
 是非、ご支援をお願いいたします


発起人・翻訳:荒木美弥子(あらき・みやこ)
ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ メディア学修士課程修了。会社員、二児の母としてすごす毎日の隙間を縫って、リトルプレスによる個性的な本を世に広めるべくLITOBOOKSという名で活動中。2019年瀬戸内国際芸術祭の公式プロジェクトとして、Setouchi ArtBook Festival をSABFmakersというユニット名にて共同主催。訳書に『ZENOBIA ゼノビア』(サウザンブックス社)がある。