顧客価値中心ビジネスを理解し、顧客価値の向上に貢献する。
BtoBマーケター必読の基本書。
書名:バリューマーチャント 「価値」で勝負するBtoBマーケター
著:ジェームズ・C・アンダーソン、ニラマルヤ・クマー、ジェームズ・A・ナラス
翻訳:岡村 桂
監修:鳥山 正博、稲葉 直彦
発行年:2018年
仕様:ハードカバー/四六判/320ページ
ジャンル:ノンフィクション(ビジネス)
ISBN:978-4-909125-10-1

顧客企業の管理職は値下げにしか注意を払わず

商品の価値が理解されるのは難しい

そんな状況から脱するには「顧客価値管理」が必要だ

ハーバード・ビジネス・レビュー誌に掲載された
戦略マーケティング論文ベスト10にも選ばれた名著論文

 

競合他社との値下げ競争にさらされ、売上が伸びても利益が出ない――今日、BtoB企業からはそんな声がよく聞かれる。そうした状況下では、商品の価値は全くの無駄にされてしまっている。

必要なのは値下げではなく、価値販売者になることだ。本書で紹介されている「顧客価値管理」では、自社商品の価値を試算し、顧客に響く価値提案を創造し、提供した価値に対するリターンを最大化する。

ケロッグ経営大学院やロンドン・ビジネス・スクールの教授でありながら、ビジネスの現場での経験も豊富な著者らが築き上げたシンプルで実践的な価値販売モデルが、世界各国の事例とともに丁寧に解説されている。

本書の主な内容(目次より)

1.価値販売者 優れた価値を実証してビジネスをおこなう
2.価値の概念化 重要事項に焦点を合わせる
3.価値提案の作成 価値あるPODとなる要素を特定する
4.価値提案の証明 優れた価値を実証し提示する
5.商品を調整する サービス抜きのソリューションとオプションを作る
6.営業部員を価値販売員に変える 価格ではなく価値で売る
7.提供した価値から利益を得る 公正なリターン手にする
8.BtoB市場で成功する 価値販売者であること


BtoBの「顧客バリュー・プロポジション」に特化した
法人営業チーム管理者待望の基本書

ここ数年、BtoBマーケティングや法人営業に関する書籍が多く出版されるようなり、「顧客バリュー・プロポジション(提供価値)」という言葉は定着したように見える。本書は2007年に出版された本でありながら、その内容は古びることはなく、「顧客価値中心のビジネス」の本質を理解し、実現するための基本の書である。

著者であるジェームズ・C・アンダーソンらの論文はDIAMONDハーバード・ビジネス・レビューで数本邦訳されているのみ。また、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部による「営業チームの強化法」(ダイヤモンド社、2007年)には「法人営業は提案力で決まる」として本書の一部が邦訳され、紹介されていたり、永井孝尚著『「戦略力」が身につく方法』(PHP研究所、2013年)に、参考文献のひとつに本書の著者であるジェームズ・C・アンダーソンらによるハーバード・ビジネス・レビューに掲載された論文『バリュープロポジションへの共感を促す―法人営業は提案力で決まるがが挙げられている。
2017年12月刊行『マーケティングの教科書――ハーバード・ビジネス・レビュー 戦略マーケティング論文ベスト10』(ダイヤモンド社、2017年)に、ハーバード・ビジネス・レビュー編集部が厳選した不朽の論文として紹介されている。10年たっても色褪せることのない、体系的なBtoBの「顧客バリュー・プロポジション」に特化した本書の翻訳が待ち望まれてる。


著者プロフール

James C. Anderson(ジェームズ C.アンダーソン)
ノースウェスタン大学のウィリアム・L・フォード基金特別教授で、担当はマーケティングと卸売販売。同大学ケロッグ経営大学院では行動科学の教授を務める。ペンシルベニア州立大学にあるビジネス市場研究所(ISBM)のアーウィン・グロス寄付研究部門特別研究員であり、オランダのトゥウェンテ大学にあるSchool of Business, Public Administration, and Technologyの客員研究教授でもある。また、顧客価値管理に特化した国際的なマネジメントコンサルティング会社James C. Anderson LLCの代表であり、有名企業を含む世界中の数多くの企業でコンサルティングやセミナーをおこなう。

Nirmalya Kumar(ニラマルヤ・クマー)
ロンドン・ビジネス・スクールで、マーケティングの教授、社会人教育担当学部ディレクター、Centre for Marketingのディレクター、アディティア・ビルラ記念インド・センターの共同ディレクターを務める。これまでハーバード・ビジネス・スクール、IMD(スイス)、ノースウェスタン大学での教鞭経験がある。ケロッグ経営大学院で博士号を取得。コーチ、セミナー指導者、戦略/マーケティングの講演者として、50カ国で50以上のフォーチュン500企業での業務に携わり、数々のインド系企業で取締役会のメンバーを務める。ワールド・マーケティング・サミット・ジャパン2014登壇者。

James A. Narus(ジェームズ A.ナラス)
ウェイクフォレスト大学バブコック経営大学院教授。ペンシルベニア州立大学ビジネス市場研究所(ISBM)の特別研究員。これまでノースウェスタン大学、ペンシルベニア州立大学、テキサス大学オースティン校、テキサスA&M大学にてエグゼクティブ・デベロップメント・プログラムを指導するとともに、トルクァト・ディ・テラ大学(アルゼンチン)、コペンハーゲン・ビジネススクール(デンマーク)、ボルドー・マネジメント・スクール(フランス)、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン(アイルランド)、トゥウェンテ大学(オランダ)にて国際経営ゼミナールを指導。多数の企業にてマネジメントに関するエグゼクティブ・トレーニング・セミナーをおこなう。学術の道に進む前は、デュポンの企業マーケティングリサーチ部門にてマーケットリサーチアナリストおよびフェローを務めた。

監修:鳥山 正博(とりやま まさひろ)
命館大学ビジネススクール教授。国際基督教大学卒、ノースウェスタン大学ケロッグ校MBA、東京工業大学大学院修了。2011年まで野村総合研究所にて経営コンサルティングに従事。業種は製薬・自動車・小売・メディア・エンタテインメント・通信・金融などと幅広く、マーケティング戦略・組織を中心にコンサルテーションを行う。最近の研究テーマは、マーケティングイノベーション、脳科学とマーケティング、AIとマーケティング。監訳に『コトラー マーケティングの未来と日本 時代に先回りする戦略をどう創るか』(KADOKAWA)、『社内起業成長戦略 連続的イノベーションで強い企業を目指せ』(日本経済新聞出版社)などがある。

監修:稲葉直彦(いなば なおひこ)
大学卒業後、富士ゼロックス株式会社にて法人営業、プロダクトマーケティングを担当。2000年よりソリューション営業の企画推進責任者として独自開発の営業変革プログラムを国内及びアジアパシフィック圏の営業組織に展開。
約10年かけて同社だけでなくドキュメント機器業界の営業の在り方に影響を与える。その後、マーケティング企画室長に就任。メーカーとして、製造と販売が一体で、お客様への価値提供にイノベーションを起こすプロジェクトを推進。
2015年に株式会社コーポレートウェルネスを設立し代表取締役に就任。長年のマーケティングやマネジメントの経験から、「多様な人材を活用して、高い士気とたゆまざる努力で、イノベーションを起こし続ける組織づくり」の必要性を痛感し、企業向けのサービス開発と提供に力を入れている。
同年、米国・国際コーチ連盟・日本支部(ICFジャパン)理事に就任。世界標準のコーチングを日本に届け、「コーチング」を社会の共通言語にする活動を開始している。
立教大学大学院修了 経営管理学修士(MBA)